はじめての生きもの調査

生きものの観察は初心者の方、お子様やご家族での簡単な調査を希望される方は、まず、この「はじめての生きもの調査」から始めてみましょう。

観察レポート
調査の方法

目的

まずは、あなたのお庭にどんな生きものがいるのか、簡単な調査から初めてみましょう。
生きものの名前を知り、特徴を知り、環境や他の生きものとのつながりを知ることで、あなたの家のお庭にも自然が息づいていることを感じられるはずです。

いつからいつまで?

今回は「春〜秋編」として、2019年5月〜10月までの期間に実施します。
(それ以降も、調査は続く予定です。)

どうやって調べる?

●生きものリストにある生きものがお庭にいるか、いないかをチェックします。
●お庭の中を歩き回ったり、窓から静かにながめたり、いろいろな調べ方をしてみよう。
●生きものをつかまえる必要はありません。
●もしできたら、写真を撮ってみましょう。
●遠くを飛んでいるのを見かけた、となりの家に木の枝にとまっていた…などの場合は、「お庭にいた」に含みません。

どれくらい調べる?

●1ケ月の中で、1回でもOK、何回調べてもOK。
●新しい月になったら、またおなじ調査をします。見られる生きものが少しずつ変わってくるはずです。

その月の調査が
できたら?

●1ケ月で調べた内容をまとめて、月末までに、1回報告します。
●調査結果の報告は、こちらの報告用フォームから直接入力できます。
●FAX・郵送の方は、こちらの報告用フォーム(PDFファイル)をダウンロードしてお使いください。
●ダウンロードできない場合は、事務局までご連絡ください。用紙を郵送いたします。


調べる生きもの図鑑

■鳥類

スズメ (ハタオリドリ科)
人間の生活に寄り添うことで他の外敵から身を守ってきたスズメ。街で最も身近なこの鳥も、安全な巣を作れるすき間のある建物やエサの草の実や虫のいる草原の減少などにより、ジワジワと数が減ってきています。

ヒヨドリ (ヒヨドリ科)
かつては秋の庭先に現れる鳥でしたが、最近は全国でほぼ同時に夏にも見られるようになり、人が間近にいる庭先の低木でもピーヨッ、ピーヨッとうるさく鳴きながら平気で巣作りをしています。冬に咲く花には、彼らに受粉を手伝ってもらっているものもあります。

メジロ (メジロ科)
スズメよりもずっと小さく、目のまわりが白いのが特徴。以前は山の鳥でしたが、最近では平地でも増えて、庭先でもよく見かけるようになってきています。1980年代から東京の都心部でも繁殖するようになり、ベランダの植え込みで営巣した事例もあります。

シジュウカラ (シジュウカラ科)
ツーピーツーピー、チージュクジュクと鳴く、住宅地でもよく見られる鳥です。どちらかというと緑の濃い場所を好み、昆虫やクモをたくさん食べます。庭やベランダに水場を作ると、一年中見られるようになり、巣箱もよく利用します。

ツバメ (ツバメ科)
全国にやってくる夏鳥。市街化による土の地面の減少や、巣を作りにくいツルツルとした壁の建物の増加、さらには美観や衛生上の理由で巣を壊すことが増えたりなど、環境や人間とツバメとの共存関係の悪化が彼らを危機にさらしています。

■昆虫

ベニシジミ (シジミチョウ科)
美しい紅色のとても小さなチョウ。住宅地近くの草地で、ヒメジョオンの花などによくやってきます。幼虫は、水辺や農耕地で見られるスイバやギシギシなどを食べているため、そうした環境の減っている都市部では数が少なくなってきています。

モンシロチョウ (シロチョウ科)
日本全土で見られる広く知られた蝶。幼虫が食べるキャベツなどアブラナ科の栽培植物に卵を産むため、その周りでよく見られます。市街地からそれらの畑が少なくなるにつれて、少しずつその数が減ってきているといわれていますが、家庭菜園ブームで復活も。

アオスジアゲハ (アゲハチョウ科)
都市部では一番よく見られるアゲハの仲間で、羽の中央に青いスジがあるのが特徴。最近、東日本の都市部で増えていますが、幼虫の食樹であるクスノキが西日本から運び込まれ、緑化樹として多く植えられたためといわれています。

ミンミンゼミ (セミ科)
ミーンミーンと鳴く、透明な翅(はね)と緑色がかった体が特徴の全国で見られるセミ。昔はすばしこくてなかなか捕まえられないセミだったが、最近、都心部では手づかみできるほど増えています。

アブラゼミ (セミ科)
ジリジリジリと鳴く全国で見られるセミ。飛んでいるときに赤褐色の翅が目立つためか、最近、都心部ではカラスやヒヨドリに追われ、空中で捕らえられることが多い。そのため、夏の初めには姿があまり見られず、声も聴こえないこともあるが、盛夏には増えてきます。

クマゼミ (セミ科)
シャンシャンシャンと、特に午前中にやかましく鳴くのが特徴の大型のセミ。都市近郊の乾燥した公園などによく見られます。西南日本に多い大型のセミですが、最近は関東でも見られるようになってきています。

トンボの仲間
夏から秋にかけて空を飛んでいる姿が印象的ですが、卵から幼虫(ヤゴ)として水の中で暮らし、初夏に羽化するまで、一生の大半を水辺で過ごしています。そのため水辺環境や水田の現状、水質の悪化などが、その数に影響を与えるといわれています。

アリの仲間
庭や畑などにごく普通にいるクロヤマアリ、乾燥した場所を好むクロオオアリ、小さな体のアズマオオズアカアリなど。あまりに小さく、数多くいるため、見過ごされがちですが、彼らも立派なお庭の生きものです。都市部では知らない間に減少しています。

コオロギの仲間
エンマコオロギ「コロコロ…キリキリ…」、オカメコオロギ「リィリィリィ」、ミツカドコオロギ「リッ、リッ」、ツヅレサセコオロギ「リィ、リィ」など、様々に鳴き競うコオロギの仲間たち。姿を見なくても、鳴き声を聴ければ「いた」と判断して構いません。

バッタの仲間
雄が雌の上に乗っているオンブバッタや小さい茶褐色のヒシバッタ・ノミバッタなどは庭先や芝生でも見られますが、大型のトノサマバッタやショウリョウバッタなどは、姿を隠すことのできる丈の長い草むらなどがないと、生きていけません。

カマキリの仲間
大型のオオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ、小型のコカマキリなど。緑色・薄茶色など体の色も様々で、草むらや樹上に隠れてチョウやアブなどを待ち構えています。全体として庭の昆虫が減少すると生きていけません。

■その他

カエルの仲間
体の大きなヒキガエルやアカガエルの仲間、小さい緑色のアマガエルの仲間など、カエルたちは身近に見られる両生類の代表です。小さいアマガエルの仲間などは、都会の公園やお庭でも、池や水辺ができると、どこからともなく帰ってきてくれることがあります。

カタツムリの仲間
そもそも湿った場所を好むカタツムリの仲間たちにとって、乾燥した市街地の環境はとても暮らしにくく、カラの中に閉じこもってじっと水分を待っていることが多くなります。あなたのお庭はカタツムリにとってのオアシスになれるでしょうか。

クモの巣
クモの巣があれば、必ずクモがそこいます。そしてそれは、クモの巣にかかってクモに食べられる小さな昆虫などがいるということになります。つまりクモの巣は、生きものと生きもののつながりを目で見て確かめることができる、お庭の豊かさを映し出す鏡でもあるのです。

ハチの巣
花の蜜や果実、樹液や蛾の幼虫などをエサとするハチの仲間は、それらを生み出す豊かな環境が必要でしたが、最近は園芸植物の増加や飲み残しのジュースなどによって、都会でも増えています。ハチの巣を見つけたときは、遠くからそっと観察し、絶対にのぞき込んだりつついたりしないようにしましょう。

※写真の無断転載・複製はお断りいたします。


参考になるWEBサイトや書籍

■積水ハウス株式会社
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